デス・オブ・アドルフ・ヒトラー(1972)THE DEATH OF ADOLF HITLER

〈ビデオ解説より〉

 全世界を恐怖の底に陥れた、アドルフ・ヒトラーの最後の10日間!

 ヒトラーならびにナチスが企てた《第三帝国》の最期にマトを絞り、ドラマティックに構成した極めて興味深く、圧倒的に面白い作品だ。1945年4月30日までの、ヒトラー最後の10日間。ここでは、世界を恐怖のドン底につき陥れた怪物ヒトラーとは何者だったのか?権力を一身に集めた彼のもとに群がる旧友親友、愛人らの正体は?と言うことが、もはや進退きわまり、ベルリンの地下壕に逃げ込んだ彼の指令本部を舞台に描かれる。明日なき日々、ヒトラーが最も忌み嫌う《ネズミ》のような生活が続く。そこには血と汗と涙しか残ってなく、全員が憎しみ合いながらも愛し合う狂乱状態、その赤裸々な姿が示されるのだ。ひたすらに妄想だけで引っぱって行った世界は、もう魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界だった。

 古くはチャップリン、アレックス・ギネス、最近ではメル・ブルックス、アンソニー・ホプキンスらが演じたヒトラーをフランク・フィンレイが熱演しまくる。これにより彼は受賞しているが当然のことと思わせる。

(評論家/柳生すみまろ)


■監督・制作:レックス・ファーキン

■脚本:ヴィンセント・ティルスレイ

■出演:フランク・フィンレイ「三銃士」「スペース・バンパイア

    キャロライン・モーティマー

    オスカー・クイタク

    マリオン・ナシー

    エド・ドゥヴロー「大洪水」「新・泥棒株式会社」

イギリス/1972年/カラー/Hi-Fi・MONO

107分/字幕スーパー

フランク・フィンレイはSOCIETY OF FILM AND TELEVISION ARTのベスト男優賞を受賞

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。