アドルフ・ヒトラー/最後の10日間(1973)HITLER: THE LAST TEN DAYS

〈ビデオ解説より〉

そして、いまドイツ帝国の心臓が止まった。

「ヒットラー・ザ・ラスト・テン・デイズ」が、欧米で公開されたのが1973年。ちょうどこの頃、ヨーロッパでは“ヒットラー・ブーム”とでもいうのか、ヒットラー関係の書物が多く出版されだし、ヒットラーに対する論議が熱っぽくなった時期だったようだ。そんな世相の中に、「ヒットラー・ザ・ラスト・テン・デイズ」が登場してきたわけだが、さすがに、ヒットラーやゲッペルスヒットラーの愛人エヴァ・ブラウンら実在した人物が登場するドラマだけに、インパクトは強烈であった。それ由、この作品も、また、ヒットラー論議の重要な対象となったのである。この映画がヒットラーを描いたドラマとして成功した原因は、ヒットラ

ーを演じたアレック・ギネスの熱演を抜きにしては考えられないだろう。イギリス映画界の重鎮として“サー”の称号を持ち、又、アカデミー主演男優賞を獲得したことがある名優ギネスが、自らのライフ・ワークにすべく挑んだのが、この「ヒットラー~」だけに、完璧なメイクと共に見せられる動作は鬼気迫るものがあるのだ。加えてヒットラー生在を唱えた説もあるだけに、本作の"ラスト”の展開と比べて推理してみるのも面白いのではないだろうか!?

製作●ウォルフガング・レインハート

監督●エンニオ・デ・コンチーニ

出演●アレク・ギネス/サイモン・ウォード/アドルフォ・チェリ/ディーン・クレント

イタリア・イギリス/1973年作品/104分/スタンダード/カラー/モノラルHi-Fi

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。