ブルーライト作戦[TVシリーズ](1966)BLUE LIGHT

◆概要

 第二次世界大戦中、ナチスドイツに潜入したアメリカ軍の諜報員の活躍を描くスパイアクション作品。製作は20世紀フォックステレビと提携したロゴプロダクションで、製作総指揮は戦争映画でおなじみのウォルター・グローマン。

 本作は、1966年より米ABC系列にて放送され、内容的には非常に骨太のスパイアクションであったが、各30分という時間から人物や背景描写に制約があり、最終的に全17話で打ち切りとなった。しかし、作品の完成度は高く、第1話から第4話までが再編集されて劇場公開された。

 日本では昭和41年年5月1日から8月21日まで、フジテレビ系列で放映された。


◆登場人物

デビッド・マーチ:ロバート・グーレ(納谷悟朗)

スーザン:クリスティーヌ・カレル(北浜晴子)


◆各話あらすじ(放送リスト)

第1話『最後の男』

放送日:昭和41年5月1日(日)21:00

原題:THE LAST MAN

 連合国側の総反撃が始まり、ヨーロッパ全土が第二次世界大戦の戦雲に覆われようとしていた頃、アメリカの通信員デビッド マーチは祖国アメリカを棄てて亡命を装いドイツに潜入した。やがてマーチはナチ 首脳部に認められ、ドイツ情報部の有能な一員になりすましていた。一方、ドイツ 秘密警察ゲシュタポは、連合軍側の最も強力な情報機関「ブルーライト」のメンバーの摘発を続け、18人中すでに17人を捕らえ処刑していた。そして残る1人の発見に躍起になっていた。摘発要員ヘルムは、デビッド・マーチこそ18人目の男と睨んでいた。事実、ヘルムの推察通り、マーチは「ブルーライト」最後の男であった。


第2話『暗殺者は誰だ』

放送日:昭和41年5月2日(日)21:00

原題:TARGET, DAVID MARCH

 デビッド・マーチはドイツ情報部員になりすましていたが、実は連合国が送り込んだ諜報組織「ブルーライト」の最後の男だった。このことを知らない英国情報部は、マーチの裏切り行為を憎み、3人の工作員をベルリンに送り、マーチの暗殺を企てた。マーチは、任務ゆえに二重スパイという過酷な立場に立たされ、味方からも暗殺されようとする。


第3話『地下要塞の女』

放送日:昭和41年5月15日(日)21:00

原題:THE FORTRESS BELOW

 暗殺されそうになったマーチは、そのことで却ってナチ首脳部の信頼を得て、極秘兵器基地「グロスムンヘン」に入ることを許された。この基地を破壊することがマーチの任務であったが、基地は地下200フィートにあり、警戒は厳重を極めていた。武器をこっそり持ち込むことは出来ないため、マーチは基地を破壊する方法を新たに考え出す必要があった。


第4話『大爆発』

放送日:昭和41年5月22日(日)21:00

原題:THE WEAPON WITHIN

 マーチは、ドイツ人女性科学者ホフマン博士と恋仲になり、グロスムンヘンを破壊するための助力を彼女に求めた。一旦は、マーチの基地破壊工作に協力することに同意した彼女だったが、基地が爆破されれば多くの友人たちも犠牲になることから、マーチを助けることを考え直す。


第5話『機密文書を奪え』

放送日:昭和41年5月29日(日)21:00

原題:JET TRAIL

 マーチは、墜落したドイツ機から極秘のジェット・エンジンを回収するため、アメリカの OSS部員に成りすまし、フランスのレジスタンスを支援する。


第6話 『裏切り者の弟』

放送日:昭和41年6月5日(日)21:00

原題:TRAITOR'S BLOOD

 連合国側のドイツ本土爆撃は日一日と激しくなった。そんな時、米空軍の爆撃機が撃墜され乗務員が捕虜になり、その中の1人にマーチの弟ブライアンがいた。司令部の要人シュライバーの力添えで面会に行ったマーチは、弟が自分を売国奴と信じて憎み、その弟として身を恥じ、兄の罪の償いをするつもりで軍隊に入ったことを知った。


第7話 『作戦阻止命令』

放送日:昭和41年6月12日(日)21:00

原題:INVASION BY THE STARS

 連合軍は、ドイツ軍のイギリス侵攻計画「アシカ作戦」の延期を必要としていた。マーチは、ヒトラーが占星術を信頼していることを利用し、お抱えの占星術師に「アシカ作戦は延期するべきだ」とヒトラーに言わせようと試みる。


第8話『復讐のゲシュタポ』

放送日:昭和41年6月19日(日)21:00

原題:THE RETURN OF ELM

 第1話でマーチは、ゲシュタポのエルムを罠にかけ、エルムこそがブルーライトの18人目の男であるとナチスに信じ込ませることに成功していた。反逆者に仕立て上げられたエルムは、マーチが二重スパイであることを知っているものの、イギリスの捕虜収容所に収容されている身であった。エルムは自身の汚名を晴らすために、マーチの正体を暴露して殺害するつもりでイギリスの捕虜収容所から逃亡する。


第9話『運命の時限爆弾』

放送日:昭和41年6月26日(日)21:00

原題:THE FRIENDLY ENEMY

 ドイツの原子爆弾の開発が実用間近に近づいていた。マーチは、原爆の開発が成功する前に、ドイツ人の研究者を殺害する任務を与えられる。


第10話『雪国からの二人のスパイ』

放送日:昭和41年7月3日(日)21:00

原題:AGENT OF THE EAST

 ナチスの重水実験計画を入手したソ連の工作員がドイツ軍に捕らわれている。連合軍はマーチに対し、ナチスによる尋問と処刑の前に、工作員から情報を入手するよう命令する。


第11話『戦慄の地下室』

放送日:昭和41年7月10日(日)21:00

原題:SACRIFICE!

 ナチスは機密情報を持った海軍司令官を捕虜にし、ドイツに連行した。ナチスは、マーチを使って情報を聞き出そうとするが、連合軍はゲシュタポ本部を爆撃し、マーチは捕虜と二人の親衛隊将校ともども地下に閉じ込められてしまう。


第12話『果しなき激闘』

放送日:昭和41年7月17日(日)21:00

原題:THE SECRET WAR

 ソ連のスパイがマーチに近づき、ソ連のために働くことに同意しないと、マーチとスザンヌの正体をドイツに暴露すると脅迫する。


第13話『クーデター前夜』

放送日:昭和41年7月24日(日)21:00

原題:THE OTHER FUHRER

 ドイツの貴族が、ヒトラー打倒に協力する旨を連合国に伝えてきた。連合軍は、その貴族のもとに工作員を派遣するが、ナチスに捕らえられ処刑されてしまう。ゲシュタポは、貴族を罠にはめるため、マーチに対して処刑された工作員に成りすまし、貴族に接触するよう命令する。


第14話『三人の脱走兵』

放送日:昭和41年7月31日(日)21:00

原題: THE DESERTERS

 ドイツ軍は、イタリア戦線での連合軍の動きを探るために、マーチにアメリカ兵を装わせて前線に送り込む。そして、マーチを監視するためのゲシュタポも同行していた。


第15話『少年ゲシュタポ』

放送日:昭和41年8月7日(日)21:00

原題:HOW TO KILL A TOY SOLDIER

 マーチは、ドイツのロケット設計図を入手する際、運び屋を殺すところをヒトラーユーゲントの少年に見られてしまう。マーチは、二重スパイであることを暴露されるか、それとも少年を殺すかの選択を迫られる。


第16話『暗号解読指令』

放送日:昭和41年8月14日(日)21:00

原題:THE KEY TO THE CODE

 フランスのラーメアにあるドイツ軍の長距離砲台によって、ノルマンディーへの北からの進撃を阻まれていた連合軍は、この地のレジスタンスの援助を受け、長距離砲台を急襲し破壊しようとしていた。しかし ゲシュタポの暗号解読のエキスパートであるイーリング 少佐は地下組織の暗号を解読し、レジスタンスの通信所を次々に破壊し、その上、連合軍が考えている急襲作戦をすでに知っており、ドイツ軍は万全の備えをしていたのだった。


第17話『逃亡者』

放送日:昭和41年8月21日(日)21:00

原題:FIELD OF DISHONOR

 マーチの忠誠心に長年疑念を抱いていたナチスの将軍が、連合国への亡命を決意する。マーチは、将軍の亡命が真意なのか、それとも罠を仕掛けようとしているのかを見極める必要に迫られる。



◆雑誌記事

テレビジョンエイジより


解説

 第二次大戦下、ナチの占領地区に潜入して仲間を次々に殺され、たった一人生き残った特務機関員の活躍を描いたハード・ボイルド・タッチのスパイ・アクション。アメリカでは60年1月のミッド・シーズンからABCネットワークでスタート、68年まで放送された。制作はロゴ・プロダクションと20世紀フォックス TVの共同。 代表制作者はウォルター・グラウマン。主人公“ブルー・ライト"にはのバラエティ・ショウに出演し、TVのエンタテイナーとして活躍していたロバート・グーレが起用されている。日本では66月6月[注・実際は5月]からフジ系で放送された。30分。


物語

 ブルー・ライト・・・・・・それは第二次大戦中、連合国がナチ・ドイツの動向を察知すると同時に、破壊活動をも行わせようとして敵地に潜入させた特務機関のコード・ネームである。総員18名。しかし、すでに12名がゲシュタボに発見され、処刑されてしまった。残るのはただ一人、デビッド・マーチだけになってしまった。彼は戦争が始まるまで外国特派員として活躍していた男だった。だが、戦争が始まると同時に、ほとんど生きて帰れる望みのない特務機関に自ら志願して入ったのである。そして国籍を捨てた彼は、表向きナチのスパイを装っていた。ブルーライトが受けた命令は、まず、ドイツ軍の参謀本部に入り込むことだった。そして機密を盗み、破壊活動を通して世界の敵ナチ・ドイツを粉粋することだった。だが、仲間は次々に殺されてしまった。敵地深く全くのひとりぼっっち・・・・・・同国人からは裏切り者とののしられ、ゲシュタボにも疑われる毎日・・・・・・孤独なスパイの秘密活動は続く。

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。