ヒットラー・チルドレン/恐怖の殺人養成所(1942)HITLER'S CHILDREN

〈ビデオ解説より〉


「マラソンマン」「ブラジルから来た少年」に継ぐ戦煙のナチ謀略アクション衝撃波!


■解説

 1940年代初頭。ナチズム統制下のドイツを舞台に、優秀なるアーリア人急増の命を受け"ヒットラーの子供たち”と呼ばれたドイツ隆盛の士の教育にたずさわった一人の女性と親衛隊将校の恐るべき運命を描く衝撃作が、この「ヒットラー・チルドレン」だ。

 1943年全米公開時、「キング・コング」「トップハット」を遥かに超える大ヒットを記録。RKO・ピクチャーズ秘蔵の問題作である。

 監督は、「十字砲火」でアメリカの人種差別問題を鋭く描きアカデミー監督賞にノミネートされた鬼才エドワード・ドミトリク彼は1923年パラマウント社に入社。編集者、短編監督を経て、35年"THEHAWK"で監督デビュー。43年この「ヒットラー・チルドレン」の大ヒットにより一流監督としての地位を確立。やがて、「十字砲火」発表後、47年9月、非米活動委員会から〈共産主義者〉の疑いがある〈非友好的〉証人として喚問を受けた。いわゆる〈ハリウッド10>への連座で、第1回聴聞会では証言を拒否。50年4月、議会侮辱罪で告訴され有罪。禁錮6ヵ月の判決を言い渡された。その後、転向の意志を表明、52年ハリウッドへ復帰。その転向前後の経緯は謎に包まれた部分が多く、夫人の自殺など"赤狩り”時代の犠牲者として悲運の監督の一人となった。その反体制主義の主張は「十字砲火」以前のこの作品にも脈々と流れ、その激しさ厳しさは彼の初期作品群ほど強烈なアジテーションとなって表われている。その激烈な映像衝撃波を存分に味わっていただきたいのだ。

 主演は「偉大なるアンバーソン家の人々」の名優ティム・ホルトとポニタ・グランヴィル。他にヒッチコック監督の話題作「逃走迷路」でテロリストの一人を演じたオットー・クルーガー、ケント・スミスといった名バイプレイヤーがガッチリ脇を固めているのも見逃せない。製作はエドワード・A・ゴールデン。脚本はエメットラベリーが当っている。(1943年度作品)


■スタッフ

製作

エドワード・A・ゴールデン

監督

エドワード・ドミトリク

原作

グレゴール・ジマール

脚本

エメット・ラベリー


■キャスト

ボニタ・グランヴィル

ティム・ホルト

ケント・スミス

オットー・クルーガー

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。