監督:ヴォルフガング・シュライヒ
出演:クラウス・ホルム、クラウス・ヴィルケ、クルト・ワイツマン、ハンス・クルル
1945年3月、レマゲンのルーデンドルフ橋は、ライン川に架かる最後の無傷の橋であり、アメリカ軍がドイツ本土へ向かうことが出来る、唯一の進撃路だった。
レマゲン鉄橋守備隊長ブラートゲ大尉は、アメリカ軍の進撃を阻止する任務を命じられるが、戦うための兵力も無く、その任務はほとんど成功の見込みがなかった。さらに橋の爆破にも失敗してしまい、アメリカ軍はライン川を渡ることができた。
本作は、1967年にドイツ(当時:西ドイツ)のテレビ局で放映されたテレビ映画。2年後に製作されたジョン・ギラーミン監督の映画『レマゲン鉄橋』がアクションやドラマ性を重視したエンターテインメント作品であるのに対し、この作品は音楽も一切無いセミ・ドキュメンタリー形式の作品となっております。ちょうど『遠すぎた橋』に対する『第一空挺兵団』のような位置付けです。
物語は、レマゲン鉄橋の守備隊長ブラートゲ大尉を中心に、フリーゼンハーン大尉やシェラー少佐といった実在の人物が登場し、ドイツ側の視点で実際に起きたことを客観的に再現する構成となっています。一方、米軍の方はアイクなどが電話での会話でチラリと出てくる程度で、基本的には出てきません。米軍の攻撃シーンも実写フィルムの流用が多いのですが、まあテレビ映画なので致し方ないでしょう。
少し残念だったのは、戦いの後でブラートゲ大尉、シェラー少佐らが即決軍事裁判で死刑判決を受けた下りが、最後にナレーションでサラッと語られただけだったことです。この辺もキチンと描かれていたら言うことはなかったのですが、63分と短い尺の中では難しかったのかもしれません。
1967年といえば、いわゆる「アウシュビッツ裁判」の影響で、西ドイツでは戦争映画がパタッと作られなくなった時期ですが、そういった時代的制約の中でもこれだけ完成度の高い作品が作られていたんですね。
ブラートゲ大尉(クラウス・ホルム)
ギラーミン版のシュミット大尉(ハンス・クリスチャン・ブレヒ)、クリューガー少佐(ロバート・ボーン)のモデル。何となくロバート・ボーンと雰囲気が似ているような気がします。戦いの後で開かれた即席の軍事裁判では、死刑判決を下されるも、米軍の捕虜となっていたため戦後も生き残る。
ジーゲル中尉(クラウス・ヴィルケ)
ブラートゲ大尉の副官。ギラーミン版では出てきませんね。
フリーゼンハーン大尉(クルト・ワイツマン)
工兵隊指揮官。ギラーミン版のバウマン大尉(ヨアヒム・ハンセン)のモデル。軍事裁判では不可抗力だったことが認められ無罪に。
シェラー少佐(ハンス・クルル)
ギラーミン版のクリューガー少佐(ロバート・ボーン)のモデル。ギラーミン版のクリューガー少佐は数日前に着任して防衛体制を固めたりしておりましたが、実際のシェラー少佐は、橋の爆破当日の午前中に新守備隊長として着任したばかり。そして、戦いの最中に行方をくらまします。軍事裁判では死刑判決。
ボッシュ中将(ルディ・シュミット)
ギラーミン版のフォン・ブロック将軍(ペーター・ファン・アイク)のモデル。ブルートゲ大尉に出来るだけの支援を約束しますが、出来ることはほとんど無かったようです。
メーレリング隊長(ブルーノ・W・パンテル)
国民突撃隊の隊長。隊員350名のうち動員できたのは僅か3名で立場がなくなる。ギラーミン版の酒場の主人のモデルかも。
〈ソフト発売〉
国内ソフト未発売。ドイツでDVDが発売されています。
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