【吹替音声比較】ナバロンの要塞

 「ナバロンの要塞」は、私が二番目に観た戦争映画です。その完成度の高さは、CG全盛の今でも色あせることはありません。まあ軍装や兵器類については、もう少し頑張って欲しかった感もありますが、映画の面白さがそれを補って余りあります。

 さて私が最初に観たのは、ゴールデン洋画劇場で放送された時で(但しテレ朝版)、吹き替えキャストは以下の通りでした。

  グレゴリー・ペック(城達也)

  デビッド・ニーブン(中村正)

  アンソニー・クイン(小林清志)

  アンソニー・クエール(森山周一郎)

  スタンリー・ベイカー(納谷悟朗)

  ジェームス・ダーレン(仲村秀生)

 このゴールデン洋画劇場版は、青野武がチョイ役でドイツ軍の通信兵を演じるなど、本当に豪華な顔ぶれでした。ただ2時間の放送枠(正味95分)だったので、人間ドラマ的な部分は軒並みカットされており、単に特攻隊が目標を破壊する、以上!的なまとまりでした。


 次に観たのは、月曜ロードショーでのTBS版で、メインの吹き替えキャストは以下の通りでした。

  グレゴリー・ペック(津嘉山正種)

  デビッド・ニーブン(青野武)

  アンソニー・クイン(内海賢二)

  アンソニー・クエール(木下秀雄)

  スタンリー・ベイカー(秋元羊介)

  ジェームス・ダーレン(古田信幸)

 正直言って、中村正のニーブンに慣れていた私にとっては、青野武のニーブンは、ちょっと奇異に感じました。しかし、ペックに食ってかかる場面などは、さすがに青野武!といった迫力を感じました。でも、このTBS版は、先のゴールデン洋画劇場版でカットされていたところがある反面、その他のカットが頂けなかったように記憶してます(ネズミチューの場面もなかったし)。


 そして、就職して関東にやってきた際に、関東ローカルで深夜3時間枠で吹替版が放送されたことがあり、この時の吹き替えキャストは以下の通りでした。

  グレゴリー・ペック(城達也)

  デビッド・ニーブン(中村正)

  アンソニー・クイン(小林清志)

  アンソニー・クエール(小林修)

  スタンリー・ベイカー(谷口節)

  ジェームス・ダーレン(大塚芳忠)

 私はてっきり、テレ朝版の長いバージョンかな?と期待して録画しただけに、ちょっとがっかりでした。でも、メインキャストは、城達也、中村正、小林清志が演じていますし、何よりも吹替の正味時間が140分あるのが嬉しかったです。このバージョンは、長らく「フジ版」と称されておりましたが、テレ東版で間違いないでしょう。


 この「ナバロンの要塞」については、幸いにもTBS版を除く2つのバージョンの録画テープが残っています。でも、これはビデオでリリースされた映像が、余りにも暗くて観難かったからで、まさに怪我の功名でした。

 それにしても、コレクターズ・エディションやらスーパービット版やら、何度もDVDが発売されていますが、未だに吹き替えが収録されていないのは、「怠慢」としか言いようがありません。

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。