ヒトラーSS/アドルフの肖像(1984)HITLER'S SS : PORTRAIT IN EVIL

製作 : 1984年

監督 : ジム・ゴダード

出演 : ジョン・シーア、ビル・ナイ、デヴィッド・ワーナー、キャロル・ベイカー、ホセ・ファーラー


 物語は、ヒトラーが権力を握ってから第二次大戦が終結するまでを、当初はナチスに懐疑的ながらも親衛隊に入る兄ヘルムートと、当初はナチスを支持して突撃隊に入るも、やがてナチスに反目する弟カールの眼を通して描くもので、レーム襲撃事件やハイドリヒ暗殺などのエピソードも挿入され、ちょっとした第三帝国興亡史といった趣となっております。

 本作品はTVムービーながらも軍装面がしっかりしており、題名に『SS』を謳っていることもあってか、親衛隊の時代考証に力が入っております。往年のハリウッド映画の場合、親衛隊といえば『黒服』ですが、実際は第二次大戦が始まる前からフィールド・グレイの制服に切り替えられており、大戦中はごく一部しか黒服の着用者はいなかったようです。本映画は、その親衛隊の軍服の変遷も楽しむことが出来ます(笑)。でも映画的には、ビジュアル的にも『黒服』の方が良いですね。『荒鷲の要塞』のフォン・ハッペン少佐にしても、黒服だからこそ、あそこまでの存在感があったと思いますから(笑)。


オープニングの制帽。鷲章と髑髏の帽章が『初期型』です。


ハイドリヒ(左)に連絡にくる親衛隊員。ナチスが政権をとる前なので黒服以前の褐色の制服を着用。突撃隊と異なり、黒のケピ帽に黒のネクタイを着用。ハイドリヒは似ていないながらも、デヴィッド・ワーナーが『ホロコースト』に続いて演じています。


弟のカール(中央)は突撃隊員。


突撃隊長レーム(左)


兄のヘルムートは親衛隊に入隊し、中尉として登場。


レームを粛清する時のヒトラー。この角度で見ると結構似ております。


ヒムラー長官もいい雰囲気です。


第二次大戦直前のポーランド国境でのヘルムート(左)とハイドリヒ(右)。ここから、フィールド・グレイの制服に衣替えです。当然、鷲章や髑髏の帽章も後期のものに変わっております。


ダッハウ収容所の兵士は、ちゃんと右襟章が髑髏のものを着用。


ヘルムートは第二次大戦勃発時は少佐。


ハイドリヒも…


ヒムラーも衣替えです。


本作で一番?なハイドリヒ暗殺の場面。なぜか街中ではなくて、郊外で襲撃されています。


ハイドリヒが暗殺された頃は、ヘルムートは大佐になっていました。前線には行っていないと思うのですが、鉄十字章や戦傷章らしきものを付けております(笑)


父親は国鉄職員


ポーランド出征時、兵士だった弟カールは、東部戦線に従軍する頃は中尉に。この後、反抗的な言動で懲罰部隊送りになる途中で、トラックが砲撃を受け負傷。その後、病院から脱走します。


故郷、シュツットガルトにて両親が亡くなったことを知らされる「自由な旅人」カール。


末の弟のハンスは、左腕に国民突撃隊の腕章を着用。


大戦末期、ヘルムートは准将にまで昇進


ベルリン防衛戦でパンツァー・ファウストを撃つハンス。後に戦死。


ヘルムートは脱走を図るが、親衛隊員であることがバレて憲兵に射殺されます。


最後まで生き残ったのは、脱走してずっと逃げ回っていたカールと恋人のミッチー。


〈ビデオソフト〉


〈DVDソフト〉

 DVDは一応発売されていますが、ジャケットの左上に「アナログ・リマスター」という聞きなれない言葉が書かれています。ハッキリ言ってVHSより劣るのではないか?という酷い画質です。海外では「コンプリート・エディション」とか「ディレクターズ・カット」と称されるDVDが発売されているのですが、海外で出ているDVDもどうやらビデオマスターレベルのようです。

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。