戦争と友情(1978)FROM HELL TO VICTORY

FROM HELL TO VICTORY

製作 : 1978年

監督 : ハンク・マイルストーン

出演 : ジョージ・ペパード、アニー・デュプレー、ジョージ・ハミルトン、ホルスト・ブッフホルツ、サム・ワナメイカー、ジャン・ピエール・カッセル、レイモンド・ラブロック、キャプシーヌ

<ビデオパッケージ解説より>

 1939年夏、パリのセーヌ河畔で、変わらぬ友情を誓い合った国籍も年齢も違う6人の男女。「毎年8月24日にはここへ集まろう」という再会の約束と1枚の記念写真を手にし、彼らはそれぞれの故国へと散っていった。

 やがて第二次世界大戦が勃発。1年目の夏に約束の場所を訪れたのはパリ駐在のドイツ軍将校だけであった。2年、3年と戦争が激化していくなかで、もう誰もそこを訪れるものはなく、代わりに6人は戦場で束の間の再会と別れを繰り返すことになる。友情よりも祖国の論理で行動しなければならない彼らは、自分たちの不運を問いつめたり嘆くこともせず、ただひたすら戦火のなかに身を投じていく…。

 「巨大なる戦線」(ビデオ題:ザ・ビッグ・バトル)の項でも触れましたが、ハンク・マイルストーンはウンベルト・レンツィ監督の別名で、本作は「巨大なる戦線」のリメイクともいうべき作品です。

 それにしても、同じ時期に同じプロットの作品を作ったことも驚きですが、その出来栄えの違いにもビックリです。どちらも「激動の戦火の中、敵味方に分かれた男女たちの運命」という内容なのですが、「巨大なる戦線」の方は色々なエピソードを次から次へとくっつけた結果、支離滅裂ぎみの展開となっておりますが、こちらの「戦争と友情」はストーリも破綻することなくフィナーレを迎えます。ただ冒頭で、「毎年8月24日にはここへ集まろう」という約束が交わされた時点で、少し戦史に詳しい者は、おおよその結末を予想できたことと思います(笑)。

 オールスターではありませんが国際色豊かなキャストに、シネスコの綺麗な映像、そして巨匠リズ・オルトラーニの優雅な音楽もあいまって、マカロニ臭は皆無です。ただ、「空爆大作戦」や「アルデンヌの戦い」の映像を借用していたり、戦闘シーンでの銃撃音などで、僅かにマカロニの残り香を感じます。

 本作はウンベルト・レンツィ監督の戦争物の中で、最も完成度の高い作品といえるでしょう。

マカロニ・コンバット(Macaroni Combat)

戦争映画補完計画

私の好きなWWⅡドイツ軍関係の戦争映画、特にマカロニコンバットやユーゴ製の戦争映画を中心に紹介するページです。あとテレビ洋画劇場世代なので、吹替版の映画も大好きです。